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【スタイリストの視点で解説】

衣装リースの新しい選び方

1.はじめに

近年、ファッション業界において、衣装リースとオーダーメイドの融合が新たな流れを作り始めています。特別なイベントや舞台でのパフォーマンスなど、一度きりの使用を想定した衣装については、コストや環境負荷を考えるとリースが有効です。

一方で、個々の体型やイメージに合わせた特別な衣装を求める場合、オーダーメイドが選択肢となります。これら両方のメリットを活かし、自身のスタイルを最大限に引き立てる衣装選びが可能となるのが、オーダーメイド衣装リースです。

本稿では、スタイリストの視点から、この新しい選び方を詳しく解説します。様々なシーンで活用可能なこの新たな選択肢が、あなたの表現力をより一層引き立てることでしょう。では、早速詳細を見ていきましょう。

2.衣装リースとオーダーメイドのメリット

(1)衣装リースのメリット:コストパフォーマンスとバリエーション

衣装リースは、そのコストパフォーマンスと多彩なバリエーションが大きなメリットと言えます。

まず、コストパフォーマンスについて考えてみましょう。衣装リースを利用すれば、毎回新しく衣装を製作する必要がありません。

結果的に、予算内で多くの衣装を手に入れることが可能になるのです。事前にリース料金が確定しているため、予算管理も容易です。

また、衣装リースサービスでは、様々なブランドやデザインの衣装が揃っています。その数は数百から数千と非常に多く、イベントやシーンに応じて選択することができます。

 

メリット

説明

コストパフォーマンス

予算内で多くの衣装を手に入れられる

バリエーション

様々なブランドやデザインから選択可能

以上のように、衣装リースはコストパフォーマンスとバリエーションの点で非常に優れた選択肢となります。

(2)オーダーメイドのメリット:完全個別対応と高品質

オーダーメイド衣装の最大の魅力は、その「完全個別対応」と「高品質」にあります。

まず、完全個別対応とは、一人ひとりの体型、趣味、要望に合わせて衣装が作られるため、リース衣装では得られない完全なフィット感と満足感を得られます。具体的には以下のような点で優れています。

 

個別対応のメリット

具体的な内容

サイズ感

体型に合わせて製作するため、ピッタリとしたフィット感が得られる

デザインの自由度

好みの色、柄、素材などを選び、自分だけのオリジナルデザインが可能

次に、「高品質」です。オーダーメイドの衣装は手間と時間をかけて一つ一つ丁寧に作られます。その結果、リース衣装よりも品質や耐久性に優れ、長期間使用することが可能です。これらのメリットから、オーダーメイド衣装はスタイリストにとって頼りになる選択肢となるのです。

3.リースとオーダーメイドのミックスが生む新たな可能性

(1)バラエティを増し、個性を更に引き立てる

スタイリストの視線からすると、衣装リースとオーダーメイドのミックスは、バラエティを増し、個性を更に引き立てるための素晴らしい方法です。

リース衣装は数多くのデザインやスタイルから選ぶことができるため、服装にバラエティを持たせることが可能です。一方、オーダーメイド衣装では、個々の体型や好みに合わせて細部まで調整が可能です。これにより、個性をさらに引き立てることが可能となります。

具体的に言うと、リース衣装は毎回新しいデザインを試せる一方で、オーダーメイド衣装は特定のテーマやコンセプトに基づいた一貫性を保つことが可能です。

このミックススタイルの採用により、既存の衣装と新たなデザインを組み合わせることで、一人一人の個性やブランドイメージを強調しながら、様々な表現を可能にします。これがオーダーメイド衣装リースの魅力と言えるでしょう。

(2)オーダーメイドできない部分をリースで補う

オーダーメイド衣装の魅力はその完全個別対応にありますが、一方で制作に時間がかかる点や、特殊なデザインや素材によるコスト負担など、すべてをオーダーメイドとすることには一定の制約が存在します。

そこで役立つのが衣装リースです。例えば、基本的なデザインや素材はオーダーメイドで対応しつつ、アクセサリーや特殊な装飾品など、一部分だけをスタイリングすることでコストと時間を削減できます。また、トレンドに迅速に対応したい場合、リース品の中から最新のアイテムを選ぶことも可能です。

これによりオーダーメイドの品質を保ちつつ、より柔軟なスタイリングが可能になります。

(3)予算管理とクオリティの両立

衣装リースとオーダーメイドの組み合わせは、予算管理と品質の両立に大いに貢献します。オーダーメイドの衣装は、その特性上高額になることが多いです。しかし、全てをオーダーメイドで揃える必要はありません。

例えば、主役となる衣装はオーダーメイドで、一方で付属品や他の出演者の衣装はリースという選択をすることで、予算内でよりハイクオリティなスタイリングを実現できます。

また、リース衣装の中にも高品質なアイテムが多く存在します。スタイリストの視点で、予算と品質を極めた選択をすることが重要となります。

このように、衣装スタイリングとオーダーメイドの組み合わせは、効率的な予算管理と高品質な衣装の両立を可能にします。

4.スタイリストの視点から見た衣装リースの選び方

(1)個々の体型にフィットする衣装を選ぶ

衣装リースの大きな魅力の一つは、それぞれの体型にフィットする衣装を選べることです。スタイリストの視点から見ても、この点は重要なポイントとなります。

例えば、以下に示すように、体型には大きく4つのタイプがあります。

 

体型

特徴

スリム型

細身でスタイルが良い

平均型

標準的な体型

ふくよか型

全体的に丸みがある

ボディビルダー型

筋肉質でがっしりとした体型

これらの体型に合わせた衣装を選ぶことで、一人一人の魅力を最大限に引き出すことが可能となります。たとえば、スリム型の方であれば、体のラインを美しく見せるドレープの効いたデザインの衣装がおすすめです。また、ふくよか型の方には、バランスを整える役割を果たAラインのドレスなどが良い選択となります。

衣装リースでは、一人一人の体型に合わせた最適な衣装を選ぶことが可能です。その結果、自信を持ってイベント等に臨むことができます。

(2)イベント・シーンに合わせたデザインを選ぶ

イベントやシーンに適応した衣装選びは、衣装リースの醍醐味といえます。

例えば、コンサートではパフォーマンスに合わせたスパンコールのロックTシャツや、派手な色合いのレザージャケットなど、視覚的にインパクトのある衣装が重要です。一方、CM撮影ではブランドイメージを反映し、商品を引き立てるようなシンプルかつ洗練されたデザインの衣装が求められます。

こうした選択において重要となるのは以下の2つです。 1.イベントの雰囲気や自身の役割を理解し、それに適した衣装を選ぶこと 2.リースならではの多種多様な選択肢から最適な一着をピックアップすること

具体的な例は下表の通りです。

 

イベント・シーン

適した衣装の特徴

具体的な衣装の例

コンサート

視覚的にインパクトのあるデザイン

スパンコールのロックTシャツ、派手な色合いのレザージャケット

CM撮影

ブランドイメージを反映した洗練されたデザイン

ブランドカラーのワンピース、シンプルな白シャツとジーンズ

迷ったときは、スタイリストに相談するのがおすすめです。彼らはその場の雰囲気やシーンを最大限に引き立てる衣装選びをサポートしてくれます。

(3)色や素材感にこだわる

色や素材感は、その人の個性を際立たせ、また、イベントの雰囲気を左右する重要な要素です。オーダーメイド衣装リースでは、この部分にも十分にこだわることができます。

まず、色選びについてですが、自分の肌色や好みだけでなく、イベントのテーマ色や季節感も考慮しましょう。たとえば、春夏には明るく爽やかな色、秋冬には落ち着いた温かみのある色が適しています。

次に素材感ですが、これも重要です。衣装の風合いを大きく左右します。例えば、シルクやベルベットは高級感を演出しますし、デニムやコットンはカジュアルな印象を与えます。

オーダーメイド衣装リースならではの細かい選択肢を活用し、最高の一着を見つけ出しましょう。

5.オーダーメイドと衣装リースの注意点とは?

(1)衣装提供までの時間に余裕を持つ

オーダーメイドの衣装は、一般的な衣装リースとは異なり、注文から提供までに多少の時間が必要となります。なぜなら、お客様の体型や希望に合わせて一から作製するため、その過程には時間を要するからです。

以下の表に、一般的なオーダーメイド衣装の制作スケジュールを示します。

 

ステップ

所要時間

サイジング

1週間

デザイン決定

1週間

制作

1~2ヵ月

最終フィッティング

1週間

これらを加味し、イベント等の日程を考慮して十分な余裕をもって発注しましょう。また、急ぎの場合でも、事前に相談することで対応可能な場合もあります。確実に理想の衣装を手に入れるためにも、計画性を持って注文することが重要です。

(2)サイズやデザインの確認を入念に行う

「オーダーメイド衣装」では、サイズ感とデザインが特別な重要性を持ちます。もし衣装がピッタリとフィットしなかったとき、或いはデザインが合わなかったときの失望感は、ただの衣装選び以上のものです。

まず第一に、サイズ確認です。提供者から詳細なサイズ表を取り寄せ、その指示に従って正確に計測しましょう。この一手間が、衣装が自分自身を美しく見せ、自信を引き立てるかどうかを左右します。

次にデザインの確認です。提供者との打ち合わせでは、自分がイメージする理想的なデザインを明確に伝えましょう。例えば、「ビビッドな赤色のシルク素材で、胸元が大きく開いたデザイン」のように具体的なイメージを伝えることが大切です。

これらのステップは、オーダーメイド衣装が成功するための鍵となります。時間と手間をかけてサイズとデザインを確認することで、最終的にはより高い満足度を得られるでしょう。

(3)リースとオーダーメイドのミックスで、より自由度とクオリティの高いスタイリングを

あなたがファッションの世界で個性を引き立てたいとき、リースとオーダーメイドの組み合わせが新たな自由度とクオリティを実現します。特にポイントなのは、バラエティ豊かなリース衣装を活かしつつ、オーダーメイドで特別感を追求するというバランスの取り方です。

例えば、舞台衣装を考えるとき、メインの衣装は体型や演出にピッタリ合ったオーダーメイドで作る一方、アクセサリーや小物はリースで調達することで、コストを抑えつつ多様なスタイリングを楽しめます。

これによって、ベルベットの赤いドレスに、リースで見つけたビンテージのチョーカーや絹の手袋を合わせるといった、まさにあなただけのスタイルを創出することが可能になります。

また、この組み合わせは予算面でも効果的です。全てをオーダーメイドすると費用が高くなりますが、リースを活用することで、コストを抑えつつ、全体のファッションクオリティを維持することが可能です。リースとオーダーメイドのバランスを探りながら、あなたらしいスタイリングを追求してみてはいかがでしょうか。

6.まとめ

本記事では、スタイリストの視点から見た衣装リースとオーダーメイドの新しい選び方について解説しました。衣装リースとオーダーメイドの両方のメリットを活かすことで、より多彩で個性的なスタイリングが可能となります。また、予算管理とクオリティの両立も実現できます。

ただし、オーダーメイド衣装リースを成功させるためには、準備期間の確保やサイズ・デザインの確認が重要です。そして何より、リースとオーダーメイドのミックスを上手に活用することで、自由度とクオリティの高いスタイリングが実現します。

以下にまとめの表をご覧ください。


ポイント

内容

1

バラエティと個性

2

予算管理とクオリティ

3

サイズ・デザイン確認

4

リース&オーダーメイド活用

以上を踏まえて、あなたのスタイルを最高に引き立てる衣装選びを楽しんでください。(plus81有賀)